無題

今日は空が近いと思った。

でもそれはそんな気がしただけ。

だってあんなに雲が遠いんだもん。

近いと思ったら遠くて。

そしてまた今日の雲は残酷な程までに綺麗で。

ほんとに思わず手を伸ばしてしまいそうで。

手を伸ばせば届きそうで。

でも手を伸ばす事は許されない。

それはあたしに与えられた宿命だから。

なのにその魅力に魅入られてしまいそうで。

もっと近づきたくて。

死んだら少しはあたしのこと想ってくれる？って。

快速急行が通ったとき考えてたけど。

今日はやっぱり死ねないや。

綺麗なときに逝きたいけど。

雲があるから逝けない。

矛盾だね。

ねぇ。

ほんとにこんな事しないと少しですらも考えてくれないの？

よっぽどだね。

何度も何度も振り返る。

もしかしたらって。

わかってるのに。

求めてしまう。

わかってるのに。

この子はそうだけど違うんだ。

わかってるのに。

やっぱり似てるから。

わかってるのに。

もうズタズタな筈なのに。

よっぽどだよ。

どんなに求めたって届かない。

求められたって信じる事ができない。

終わりじゃん。

死んで想ってくれるなら。

喜んで死ぬよ。

でもそんな勇気ないんだ。

ごめんね。

居ないほうがいいでしょう。

泣かれたら迷惑でしょう。

だから絶対にこのことで泣かないって。

決めたんだ。

もう昔話になってしまうくらい。

昔の事なんだけどね。

それだけ長いんだよ。

ほんとに綺麗だから。

気が狂いそうに。

綺麗。